Fire TVの買い替えに、安さにひかれてFire TV Stick 4K Selectを選んだら想定外のことが起きました。見た目はいつものFire TVとほぼ同じ。でも中身は、これまでとまったく別物でした。同じ失敗をしてほしくないので、購入前に知っておくべき落とし穴を正直にまとめます。
目次
- Fire TV Stick 4K SelectはFire OSではない
- 最大の落とし穴:使えるアプリが大幅に減る
- 向いている人・向いていない人
- 結論:素直にFire TV Selectじゃないモデルを選ぼう
Fire TV Stick 4K SelectはFire OSではない
これまでのFire TVシリーズはすべて、AndroidをベースにAmazonが独自カスタマイズした「Fire OS」というOSで動いていました。しかしFire TV Stick 4K Selectは、LinuxベースのまったくNew OSである「Vega OS」を搭載しており、従来のFire OSとは根本的に異なる別物です。
ところが見た目や操作感はこれまでのFire TVとほぼ同じ。ホーム画面のデザインも、リモコンの操作感も、普通に使っている分にはOSが変わったことに気づかないレベルです。筆者も最初はまったく気づきませんでした。
Amazonの購入ページには以下が一切記載されていません
- OSの種類(Fire OSではなくVega OSであること)
- AndroidベースのOSではないこと
- APK(Androidアプリ)のサイドロード可否
- Androidアプリ互換性の制限
購入前にこれらを知る手段がほぼないため、「いつものFire TVの安いやつ」だと思って買ってしまうのは無理もありません。しかし実態は、Androidアプリの資産をまるごと捨てた新しいプラットフォームです。
最大の落とし穴:使えるアプリが大幅に減る
Vega OSへの移行で最も影響が大きいのがアプリの互換性です。
App Storeのアプリ数が圧倒的に少ない
Vega OSは独自のアプリフォーマット(.vpkg)を採用しており、従来のAndroid向けアプリはそのまま動きません。AmazonはVega OS向けにアプリを再開発・移植する必要があるため、対応アプリ数は従来のFire OSと比べて圧倒的に少ないのが現状です。Prime Video・Netflix・YouTubeなど主要どころは使えますが、マイナーなアプリは対応していないケースが多いです。
APKのサイドロードができない
従来のFire OSはAndroidベースだったため、APKファイルを使って非公式アプリをインストールする「サイドロード」が可能でした。しかしVega OSではこの方法が使えません。インストールできるのはAmazon App Storeで配信されているVega OS対応アプリのみです。
筆者がショックを受けた具体例
これまでFire TVで愛用していたAdLock(広告ブロックアプリ)とSmartTube(広告なしでYouTubeを楽しめるアプリ)が、どちらも使えなくなりました。どちらもVega OS非対応かつサイドロードも不可のため、完全にアウトです。これが筆者にとって最大のダメージでした。
補足:クラウドストリーミングという苦肉の策
AmazonはVega OS向けにアプリが揃うまでの移行期間として、一部のAndroidアプリをクラウド経由でストリーミング配信する仕組みを用意しています。ただし対応アプリは限定的で、通信環境によって動作が不安定になる可能性もあります。
向いている人・向いていない人
Fire TV Stick 4K Selectがすべての人にとってダメというわけではありません。使い方次第では十分に満足できる端末です。
向いている人
- Prime Video・Netflix・YouTube等の主要アプリだけ使う人
- Fire TVを初めて購入する人
- とにかく安く4K環境を揃えたい人
- 主要アプリ以外は使わないとわかっている人
向いていない人
- アプリを自由に追加・カスタマイズしたい人
- 広告ブロックアプリを使いたい人
- これまでのFire TVから買い替える人
- APKサイドロードを活用していた人
裏を返せば、これまでFire TVを使っていた人が「買い替え」として選ぶのは特に危険です。同じFire TVブランドでも、できることが大きく変わっているからです。
結論:素直にFire TV Selectじゃないモデルを選ぼう
筆者はFire TV Stick 4K Selectを購入したあと、結局Fire TV Stick 4K Maxを買い足してメイン機として使っています。Fire TV Stick 4K SelectはサブのテレビでPrime Videoを見る程度にしか使っていません。
価格差は数千円程度ですが、その差以上に「できることの差」が大きいのが実態です。Fire OS搭載モデル(4K・4K Max等)であればAPKのサイドロードも可能で、従来通りの使い方ができます。
- アプリを自由に使いたいなら → Fire TV Stick 4K Max(最もパワフルで自由度が高い)
- コスパ重視で主要アプリだけ使うなら → Fire TV Stick 4K(Fire OS搭載・安定)
- 4K不要でとにかく安くすませたいなら → Fire TV Stick HD(Fire OS搭載)
「安いから」という理由だけでFire TV Stick 4K Selectを選ぶのは、よほど割り切れる使い方をする人でなければおすすめしません。迷ったら素直にFire TV Selectじゃないモデルを選んでください。筆者のように買い足す羽目になる前に。


