通知を一時的にオフにする「おやすみモード」は、就寝中・会議中・集中作業中に通知で邪魔されたくない時の定番機能です。ただしiOS 15以降、おやすみモードは「集中モード」の一部として再構成され、設定場所や挙動が以前より分かりにくくなりました。本記事では、現在のiPhoneでおやすみモードをオン/オフする方法から、スケジュール設定・例外連絡先の許可・他の集中モードとの使い分けまでを整理します。
目次
おやすみモードの基本
おやすみモード(Do Not Disturb)は、iPhoneにかかってくる電話・通知を一時的にサイレント化する機能です。画面の表示はそのままに、音・バイブ・ロック画面への通知を止めます。
iOS 15以降の位置づけ(集中モードの一部)
iOS 15(2021年)から、おやすみモードは単独機能ではなく「集中モード」というフレームワークの中のプリセットの1つに再編されました。
- iOS 14以前:「設定」→「おやすみモード」という独立メニュー
- iOS 15以降:「設定」→「集中モード」→「おやすみモード」
機能自体は以前とほぼ同じですが、設定場所が変わっています。「おやすみモードの設定画面が見つからない」という場合は、まず「集中モード」を探してください。
集中モードとの違い
「おやすみモード」と「集中モード」の関係はやや混乱しやすいため、表で整理します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 集中モード(Focus) | 通知制御の仕組み全体の名前。複数のモードを切り替えて使える |
| おやすみモード | 集中モードの中の「デフォルトで用意されている」1つのモード |
| 仕事モード・睡眠モード等 | 同じく集中モードの中の他のプリセット |
| カスタムモード | ユーザーが自分で作る集中モード |
つまり、集中モード = 大きな仕組み、おやすみモード = その中の一つという入れ子構造です。「単純に通知を全部止めたい」ならおやすみモードで十分で、細かく使い分けたいなら他のプリセットや自作モードを組み合わせます。
オン・オフする4つの方法
おやすみモードは日常的に切り替えやすいよう、複数のアクセス方法が用意されています。
コントロールセンターから
もっとも使用頻度の高い方法です。
- 画面右上から下へスワイプしてコントロールセンターを開く(ホームボタンのある機種は画面下から上へスワイプ)
- 三日月マークの「集中モード」ボタンをタップ
- メニューから「おやすみモード」をタップ
タップするだけでオンになり、もう一度タップするとオフに戻ります。長押しすると継続時間(1時間だけ・夕方まで・この場所を離れるまで等)の選択ができるため、一時的な集中にも便利です。
設定アプリから
- 「設定」→「集中モード」
- 「おやすみモード」をタップ
- 画面上部のスイッチでオン・オフ
設定アプリ経由は、スケジュールや例外を詳細に調整したい時に使います。単純なオン・オフならコントロールセンターのほうが早いです。
Siriで切り替える
手がふさがっている時に便利です。
- 「おやすみモードをオンにして」
- 「おやすみモードをオフにして」
- 「通知をオフにして」
- 「明日の朝までおやすみモードにして」
時間指定も使えるため、「1時間だけオンにして」のような柔軟な指示も可能です。
ロック画面からアクセス
iOS 16以降のロック画面では、ロック画面を長押し→「集中モード」ボタンから直接おやすみモードに切り替えられます。ロック画面カスタマイズで「集中モードフィルタ」を設定している場合、ロック画面を切り替えるだけで自動的におやすみモードに入る運用も可能です。
自動でオンにする(スケジュール)
おやすみモードは、毎日同じ時間帯や特定の状況で自動的にオンにする設定が充実しています。一度設定すれば手動操作が不要になります。
時間帯で自動化
もっとも定番な使い方です。毎晩就寝前から朝まで自動でオンにします。
- 「設定」→「集中モード」→「おやすみモード」
- 「スケジュールを設定」をタップ
- 「+ スケジュールを追加」または「時刻」を選択
- 開始時刻・終了時刻・繰り返す曜日を指定
たとえば「毎日23:00〜7:00」に設定しておくと、毎晩自動でオンになり朝に自動でオフになります。
場所で自動化
特定の場所にいる時に自動でオンにします。
- 同じく「スケジュールを設定」から「+ スケジュールを追加」
- 「場所」を選択
- 検索バーから自宅・職場・図書館などを指定
「会社のオフィスに着いたら自動でオン」「家に帰ったら自動でオフ」といった運用ができます。位置情報サービスがオンである必要があります。
アプリ使用で自動化
特定のアプリを開いている間だけオンにする設定もあります。
- 「スケジュールを設定」→「+ スケジュールを追加」
- 「App」を選択
- 対象のアプリ(Kindle・Procreate・Netflix等)を追加
読書中・動画視聴中だけ通知を止めたい、といった用途に最適です。
スマートアクティベーションを使う
スマートアクティベーションは、iPhoneが時間帯・場所・アプリの使用パターンから自動的におやすみモードが必要かを推測してオンにする機能です。
- 「設定」→「集中モード」→「おやすみモード」
- 「スケジュールを設定」→「スマートアクティベーション」をオン
学習には数週間かかりますが、「いつ・どこで集中したいか」を明示的に設定しなくても自動化できます。使いながら少しずつ調整される仕組みです。
おやすみモード中に例外を許可する
通知を全部止めると重要な連絡まで見逃すリスクがあります。例外を設定しておけば、指定した人や指定したアプリからの通知だけは通すことができます。
特定の連絡先からの着信を許可
- 「設定」→「集中モード」→「おやすみモード」
- 「通知を許可」→「人」をタップ
- 「連絡先を追加」で通知を許可したい人を選ぶ
- 下部の「着信」でも別途、許可する範囲(全員・許可した連絡先のみ・誰からも許可しない等)を設定
家族・緊急連絡先・上司などは許可しておくと安心です。「許可した連絡先のみ」にしておけば、知らない番号や迷惑電話は静かにブロックされます。
繰り返し着信を許可
緊急時、同じ人から3分以内に2回連続で電話がかかってきた場合は通す設定もあります。
- 「おやすみモード」の設定画面
- 「通知を許可」→「着信」
- 「繰り返し着信を許可」をオン
これで緊急時だけは例外として鳴る安全な運用ができます。災害時・家族の急病連絡などの取りこぼしを防げます。
特定アプリからの通知を許可
- 「おやすみモード」の設定画面
- 「通知を許可」→「App」をタップ
- 「Appを追加」で通知を通したいアプリを選択
仕事で使うSlackやメールアプリ、家族との連絡で使うLINEなどを許可しておくと、通知全オフにしつつ重要な連絡だけは拾えます。
アラーム・タイマー・緊急速報の挙動
以下はおやすみモード中でも通常通り動作します。
- 「時計」アプリのアラーム(就寝用・起床用)
- 「時計」アプリのタイマー
- 緊急速報(地震・津波・気象警報)
- 「時間厳守」に指定した通知(カレンダーの予定など)
おやすみモードを有効にしていてもアラームで起きられないという心配は不要です。緊急速報も鳴りますが、内閣府の訓練以外では止められないためセキュリティ面でも安心です。
通知の見え方をカスタマイズする
「通知は止めたいけど、ロック画面に表示だけはさせたい」など、見え方の調整もできます。
ロック画面での非表示
- 「設定」→「集中モード」→「おやすみモード」
- 「オプション」をタップ
- 「ロック画面」セクションで「通知を非表示」または「ロック画面を暗くする」を設定
デフォルトでは通知はロック画面に届きますが(音だけ止まる)、「ロック画面に表示しない」にすると画面を見ても通知が見えないため、就寝中に光らないようにしたい人に便利です。
ホーム画面のフィルタ
iOS 16以降では、おやすみモード中に特定のホーム画面ページだけを表示することもできます。
- 「設定」→「集中モード」→「おやすみモード」
- 「集中モードフィルタ」→「Appとウィジェット」
- 表示したいページを選択
就寝前に仕事用アプリのアイコンを見たくない、集中時に SNS を隠したい、といった運用ができます。
他の集中モードとの使い分け
iOSには、おやすみモード以外にも標準で用意されている集中モードがあります。
| モード | 用途 | デフォルト挙動 |
|---|---|---|
| おやすみモード | 就寝・一般的な静粛 | すべての通知を制御 |
| 睡眠 | ヘルスケアの睡眠スケジュールと連動 | 就寝時間に自動オン |
| 仕事 | 業務中 | 業務時間に自動オン |
| パーソナル | プライベート時間 | 手動で切替 |
| 運動 | ワークアウトアプリ起動時 | 自動オン |
| 運転 | 運転検知時 | 自動オン |
| 読書 | 読書アプリ起動時 | 自動オン |
それぞれで許可する連絡先・アプリを分けておけば、「仕事中は上司からの連絡だけ通す」「就寝中は家族だけ通す」といった細かい制御が可能になります。まずはおやすみモードで使い方に慣れて、必要に応じて他のモードに広げていくのがおすすめです。
よくある疑問と対処
電話は鳴る?
基本的には鳴りません。ただし、以下の場合は例外的に鳴ります。
- 「許可した連絡先」に入れた人からの着信
- 「繰り返し着信を許可」がオンで、3分以内に同じ人から2回目の着信
- 緊急用の連絡(110・119等、iOS側で判定)
「おやすみモードにしていたら大事な電話に気づかなかった」というケースの多くは、例外設定を一つもしていないことが原因です。家族・上司は最低限登録しておきましょう。
アラームは鳴る?
iPhone標準の「時計」アプリのアラームは普通に鳴ります。タイマーも同様です。
ただし、サードパーティ製アラームアプリ(Sleep Cycle等)は通知として扱われるため、おやすみモード中は音が出ない可能性があります。確実に起きたい日は標準「時計」アプリを使うか、サードパーティアプリを例外設定に入れてください。
スケジュールが動かない
設定したはずの自動オンが効かない場合は以下を確認します。
- スケジュールの「有効」スイッチがオンになっているか
- 曜日指定が当日を含んでいるか
- 場所での自動化なら、位置情報サービスが有効か(「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」→「システムサービス」→「集中モード」)
- スマートアクティベーションの学習中(2〜3週間は安定しないことがある)
一度集中モード画面で「スケジュール」のスイッチをオフ→オンしてみると直ることも多いです。
他のApple製品と連動する
iPhoneでおやすみモードをオンにすると、同じApple IDでサインインしているiPad・Mac・Apple Watchも自動でオンになります。これはデフォルトの挙動です。
デバイス間の共有をオフにしたい場合は:
- 「設定」→「集中モード」
- 画面下部の「デバイス間で共有」をオフ
たとえば「iPhoneだけサイレントにしたいがMacは通常通り仕事で使いたい」といったケースでは、この設定を切っておくと便利です。
まとめ
おやすみモードは、iOS 15以降は「集中モード」というフレームワークの一部として提供されていて、設定場所は「設定」→「集中モード」→「おやすみモード」です。単純なオン・オフはコントロールセンターが最速、毎晩の就寝時など定期的な利用はスケジュール設定で自動化するのが定番です。
通知を全部止めるのは不安、という人は家族や上司など重要な連絡先だけ例外として許可し、加えて「繰り返し着信を許可」をオンにしておけば、緊急時の取りこぼしを防げます。仕事・運動・運転など他の集中モードと使い分ければ、「どの時間帯に・誰からの・どのアプリの通知を通すか」を柔軟に設計できます。まずはおやすみモードから使い始めて、徐々に自分のライフスタイルに合わせて育てていくのがおすすめです。

