仕事や大事な話の電話は後から内容を確認したいものですが、iPhoneは長らく標準では通話録音ができませんでした。iOS 18からはApple純正の「通話の録音」機能が追加され、ようやくiPhone単体で通話録音が可能になっています。本記事では、iOS 18の新機能、外部アプリの使い方、ハードウェアレコーダーの活用法まで、iPhoneで電話を録音する全ての方法を解説します。
目次
- iPhoneで電話を録音する方法の全体像
- iOS 18新機能:通話の録音と文字起こし
- ボイスレコーダーアプリで録音する(スピーカー利用)
- 通話録音専用アプリを使う
- 外部ICレコーダーで録音する
- 通話録音の法律上の注意点
- 録音した内容を文字起こしする方法
- まとめ
iPhoneで電話を録音する方法の全体像
iPhoneで電話を録音する主な方法は次の4つです。
方法 コスト 音質 相手通知 iOS 18の標準録音機能 無料 高 あり ボイスレコーダー(スピーカー利用) 無料 中 なし 通話録音専用アプリ 月数百円〜 高 あり/なし(アプリ次第) 外部ICレコーダー 数千円〜 高 なし
最も手軽でおすすめなのは iOS 18の標準録音機能 ですが、iOS 17以前の方や、シンプルに録音だけしたい方は他の方法も選択肢になります。
なお、iPhoneでの通話録音は 相手に録音している旨の通知が流れる仕様(iOS 18標準機能)や、法律上の制約もあるので、後述の法律上の注意点も必ず確認してください。
iOS 18新機能:通話の録音と文字起こし
iOS 18から、Apple純正の「通話の録音」機能が追加されました。サードパーティ製アプリも不要で、無料で使えます。
通話録音の手順
- 電話アプリで通話中に、画面左上に表示される「録音」ボタン(波形のアイコン)をタップする
- 「この通話は録音されます」 という音声が両者に流れる
- 録音が開始される
- 通話終了後、自動的に「メモ」アプリに録音音声と文字起こしが保存される
録音した音声は「メモ」アプリの「通話の録音」フォルダに保存されます。文字起こしは Apple Intelligence 対応機種ではAI要約も付加されます。
iOS 18の通話録音が使える機種
- iPhone 15 Pro / Pro Max 以降
- iOS 18以降
iOS 17以前の機種では使えないので、後述の他の方法を使います。
通話録音時の制約
- 相手にも「録音されます」と音声で通知が流れる(ユーザー側で無効化はできない)
- 録音できるのは通常の音声通話のみ(FaceTimeやLINE通話などは対象外)
- 文字起こしは日本語にも対応するが、AI要約はApple Intelligenceの対応言語次第
相手に黙って録音はできない仕様で、これはApple側のプライバシー配慮です。
ボイスレコーダーアプリで録音する(スピーカー利用)
iOS 17以前のiPhoneや、相手に通知させずに録音したい場合は、通話をスピーカーモードで流しながら、別の機器(または同じiPhone)でボイスレコーダー録音する方法があります。
iPhone単体でスピーカー+ボイスメモを使う方法
iPhoneのボイスメモアプリは通話中もバックグラウンドで動作するので、次のように使えます。
- 通話開始前にボイスメモアプリを開いて録音を開始する
- ホームに戻り、電話アプリで通話を開始する
- 通話画面で「スピーカー」をオンにする
- iPhone本体の内蔵マイクが、スピーカーから流れる相手の声と自分の声を拾う
- 通話終了後、ボイスメモアプリで録音停止
ただし、iPhone単体でこの方法を使うと 相手の声が遠い、エコーがかかる、ノイズが多い などの音質課題があります。
別のiPhoneやスマホで録音する方が安定
1台目で通話、もう1台でボイスメモ録音という構成にすれば、音質が安定します。スピーカーモードで通話する1台目を、もう1台の近くに置くだけです。
通話録音専用アプリを使う
iPhoneのApp Storeには通話録音に特化したアプリが複数あります。多くは月額または買い切りの有料アプリで、iOS 18の標準機能が使えない機種でも導入できる点が大きな魅力です。
通話録音アプリの多くは「3者通話」の仕組みを使っています。アプリ側のサーバーを通話の3人目として割り込ませ、その通話をサーバー上で録音してから自分のアプリに保存する方式です。手順としては次のようになります。
- アプリから通話相手に発信する
- アプリのサーバーが3者通話モードで仲介する
- アプリのサーバー上で録音される
- 録音データがアプリに保存される
この方式のため、国内・国際通話料金がキャリアの通常料金とは別に発生することがあります。また、録音されている旨が音声で流れる仕組みのアプリと流れないアプリがあるので、契約前に必ず仕様を確認してください。無料を謳うアプリでも録音時間に制限があったり、保存に追加課金が発生したりするものが多いので、レビューと料金体系をよく見てから導入するのが安全です。
TapeACall: 通話録音
通話録音アプリの中でも長く支持されている定番が「TapeACall」です。私の周囲でも、営業や法務の打ち合わせを後から確認したい人が使っているのをよく見ます。発着信どちらも録音でき、3者通話方式で安定して音声を捕えるのが強みです。
録音した音声はアプリ内で一覧管理でき、メール・クラウド・他アプリへの共有もスムーズです。サブスクリプション課金型で、定期的にアップデートが入るため長期的に安心して使えます。海外取引が多い場合、国際通話の録音にも対応しているため一台で完結します。
Switch - 通話録音 & AI受付アプリ
国産アプリとして近年注目されているのが「Switch」です。通話録音に加え、AIによる自動応答(AI受付)や文字起こしも統合されており、個人事業主や中小規模の事業者の電話対応をまるごとカバーできるのが特徴です。
着信時にAIが用件を聞き取って要約してくれる機能は、不要な営業電話を弾く目的でも便利です。通話録音は3者通話方式ではなく専用の番号経由で行うため、相手側の操作なしで録音できるケースが多いのも国産アプリならではの工夫です。料金プランは月額のサブスクリプション型で、ビジネス用途向けに設計されています。
コールレコーダー - IntCall
「サブスクリプション契約は避けたい」という方に向くのが「コールレコーダー - IntCall」です。1回ごとに課金するチャージ制で、必要なときだけ通話録音を行えます。たまにしか録音しない用途であれば、月額アプリよりも結果的に安く済むケースもあります。
国際通話にも対応しており、相手の国・地域によって通話料金単価が変動します。録音した音声はアプリ内でmp3形式の音声ファイルとして管理でき、共有先のメールアドレスに送ることも可能です。「年に数回の重要な通話だけ録音したい」という使い方であれば、まずこのアプリから試すのが手堅い選択です。
外部ICレコーダーで録音する
最も音質と信頼性が高いのは、外部のICレコーダーを使う方法です。ICレコーダーは専用設計のマイクと長時間動作するバッテリーを備えているため、iPhone本体のマイクや録音アプリでは難しい長時間・高音質の録音を安定してこなせます。会議の議事録や取材の音源として、ジャーナリストや士業の方々にも長く使われています。
おすすめのICレコーダー機種
ICレコーダーは大きく3社の製品が定番として知られており、それぞれ得意分野が少しずつ異なります。価格帯は1万円台前後の入門機から、3万円を超えるプロ向け機種までと幅広いので、用途と予算で選び分けるのがおすすめです。
OM SYSTEM (旧オリンパス) Voice-Trek シリーズ
国内のICレコーダー市場で長年トップシェアを保ってきた定番ブランドです。2024年からは「OM SYSTEM」ブランドとして展開されています。Voice-Trekシリーズは会議録音に最適化されたモデルが多く、自動レベル調整やノイズキャンセル機能を備えています。
操作画面が日本語表示で直感的に使え、はじめてICレコーダーを買う方にも扱いやすいのが魅力です。USB端子が本体に内蔵されており、PCへの転送がケーブル不要で済むモデルもあります。
ソニー ICD-PX / ICD-UX シリーズ
ソニーのICレコーダーは録音音質の高さで定評があります。エントリーモデルのICD-PXシリーズは1万円前後で購入でき、Voice-Trekと並んで初心者向けの定番として推せます。
上位のICD-UXシリーズはUSB端子を本体に内蔵し、ノイズカット機能やシーンセレクト機能(会議・取材・口述など)で録音モードを切り替えられます。専用のソフトウェアもあり、録音データの管理がしやすい点もソニー製ICレコーダーの強みです。
TASCAM DR シリーズ
TASCAMはプロ向けのレコーディング機器メーカーで、DRシリーズはアマチュア・プロ問わず高音質収録を求める層に支持されています。リニアPCM録音に対応し、音楽演奏の収録から取材・対談の録音まで、より高い音質が必要な場面で力を発揮します。
価格は2〜5万円台と高めですが、外部マイクの接続端子や4トラック録音が可能な上位機種もあり、用途の幅が広いのが特長です。「会議録音の音質に物足りなさを感じている」「素材として配信や記事化を前提に録音したい」という方に向く一本です。
iPhoneとICレコーダーを組み合わせて録音する手順
- ICレコーダーを準備する
- iPhoneでスピーカー通話を開始する
- ICレコーダーをiPhone本体の近くに置く(またはマイクをiPhoneに向ける)
- ICレコーダーで録音を開始する
- 通話終了後、ICレコーダーで録音停止
ICレコーダーで録音した音声はUSB接続またはmicroSDカード経由でPCに移すか、対応機種ならBluetoothでiPhoneに転送できます。
ICレコーダーを使うメリット
- 音質が安定する(専用マイクの性能)
- 大容量の本体ストレージで長時間録音可能
- iPhoneのバッテリー消費を抑えられる
- 録音データがiPhoneに依存しない(故障・初期化のリスク回避)
通話録音の法律上の注意点
通話録音は法律上の制約があり、無断録音や録音内容の取り扱いに注意が必要です。
日本での通話録音は基本的に「合法」
日本では、通話の当事者が録音する分には、相手の同意なくとも違法にはなりません(無断録音は民事上の争いになる可能性はあるが刑事罰の対象ではない)。
ただし、次の場合は違法または問題になります。
- 第三者の会話を盗聴: 当事者でない人が会話を録音するのは違法
- 録音した会話を無断で公開: プライバシー権・名誉毀損などで民事責任を問われる可能性
- 業務上の秘密や個人情報を含む録音を流出: 守秘義務違反になる可能性
海外では同意が必須の国・地域もある
アメリカの一部の州(カリフォルニア・フロリダ・イリノイ等)や、ヨーロッパの多くの国では「録音にはすべての当事者の同意が必要」とされています。海外との通話で録音する場合は、相手に必ず確認します。
仕事の電話を録音する時のマナー
法的にOKでも、相手にひと言伝えてから録音するのがビジネスマナーです。
「お話の内容を後で確認するために録音させていただいてもよろしいですか?」
このひと言を入れるだけで、後のトラブル回避になります。
録音した内容を文字起こしする方法
録音した音声を文字起こしすると、議事録作成や情報の検索性が大幅に向上します。
iOS 18の文字起こし機能
iOS 18の標準録音機能を使えば、録音と同時に 自動で文字起こし されます。「メモ」アプリで音声を確認しながら、対応するテキストも見られます。
外部の文字起こしアプリ
iOS 17以前や、より高精度な文字起こしを求める場合は、文字起こし専用アプリやサービスを使います。日本語の認識精度は近年大きく向上しており、議事録作成や取材音源の整理にかかる時間を大幅に短縮できます。
Notta
Nottaは日本語の文字起こしに強みを持つ定番アプリで、私自身もインタビュー音源の下書きづくりに使ってきました。スマホ単体で録音→文字起こし→翻訳までを完結でき、リアルタイム文字起こしにも対応します。
無料プランでは月の文字起こし時間に上限がありますが、無料枠だけでも短時間の打ち合わせには十分な使い勝手です。録音済みファイルのアップロードにも対応するため、ICレコーダーや別アプリで録音した音声を後から文字起こしする運用にも合います。
CLOVA Note
LINEが提供するCLOVA Noteは、無料枠が充実しているのが魅力です。会議や授業の録音から自動で文字起こしを行い、話者ごとの発言を分けて表示してくれるため、議事録を一から書き起こす手間が大幅に減ります。
CLOVA Noteは現状、専用のiOSアプリは提供されておらず、ブラウザかAndroidアプリでの利用が中心です。iPhone側ではSafariなどから公式サイトにアクセスして使う形になります。LINEアカウントでサインインしてすぐに始められるため、最初の一歩のハードルが低いのも嬉しい点です。
Whisper (OpenAI)
WhisperはOpenAIが公開している音声認識モデルで、ChatGPTのアプリ内で音声を入力すると裏側でWhisperが文字起こしを担当しています。多言語対応で、日本語と英語が混ざる会話でも高い精度で書き起こしできるのが強みです。
iPhone単体で使う場合は、ChatGPTアプリの音声入力機能を経由するのが最も手軽です。録音済みのファイルをそのまま流し込みたい場合は、OpenAIのAPIを使うか、Whisperを組み込んだサードパーティアプリ(MacWhisper等)を併用する方法もあります。
Vrew
Vrewは動画編集と組み合わせた文字起こしを得意とするアプリです。動画から自動で字幕を生成できるため、Web会議の録画やセミナー動画を題材にする場合に特に便利です。
メインはPC・Mac版ですが、Web版からブラウザだけで利用することもでき、iPhoneのSafariで開いて使えます。文字起こしのテキストを編集すると元の音声・動画の対応部分も同期して編集される独特のUIで、議事録づくりよりも「動画コンテンツの編集と字幕付け」に主眼を置いた方に向いた選択肢です。
まとめ
iPhoneで電話を録音する方法は次のとおりでした。
- iOS 18以降 + iPhone 15 Pro以降: 標準の「通話の録音」機能が最も手軽。録音 + 自動文字起こし付き
- ボイスメモ + スピーカー通話: iOS 17以前でも使える簡易な方法。音質は劣る
- 通話録音アプリ: TapeACall等の専用アプリ、有料が中心
- 外部ICレコーダー: 音質最高、長時間録音、iPhoneに依存しない
選び方の目安は次のとおりです。
- 手軽さ重視: iOS 18の標準機能
- コスト重視: ボイスメモ+スピーカー(無料)
- 音質と長時間重視: 外部ICレコーダー
- 業務で頻繁に使う: 通話録音アプリ or ICレコーダー
法律上は日本国内では当事者録音は合法ですが、相手にひと言伝えるのがマナー。海外通話では同意が必要な国もあるので注意します。録音した内容は文字起こしアプリを併用すると活用の幅が広がります。


